人気度の高い税理士の特徴Column

vol.0029
ラボン博士
今回は、税理士センセイの話しをしよう。どんな業界でもそうじゃが、人気のある人とそうでない人がおる。無論、一緒に仕事をしてみないと分からないものじゃが、税理士のような士業(さむらいぎょうとも言う)の人とは、一旦契約を交わすと、不適とわかっても法令と契約違反でもない限り期中の契約解除や満期時不更新は難しい。

ましてや、知人に紹介された税理士だと、先方から切り出さない限り当方から契約打ち切りは申し入れにくいものじゃ。冒頭からネガティブな話しになったが、税理士に対して不満を抱く人たちの思いを知れば、人気の高い(自社にとって有能な)センセイの姿が見えてくるものじゃ。

1、税理士に対する不満とは

税理士は、難関試験を通ってきているわけだから、能力の差はないように思えるが、実は、合格した科目や経歴、当人の取り組み姿勢や人柄などによってかなりの違いがでてくるものじゃ。巷で、経営者層から聞こえてくる税理士に対する不満を並べてみると、以下のようになる。


不満の項目 ポイント
提案がない 契約書に箇条書きされた業務の項目を、文字通り定型的に行うだけで、なんら付加価値をつけてくれないような税理士は、会社側の満足度が低い。法令及び契約上は何の問題もないが、クオリティの高い仕事とはいえない。経営状態を分析し、アドバイスを与え、資金繰りに問題があるようなら融資を含めた金融機関との折衝方法と提出書類の作成を手伝うなど、「ここまでやってくれるのか」という付加価値の有無が人気の違いとなってあらわれるものじゃ。
訪問が少ない 税理士法人では、定期訪問を税理士資格取得へ向けて勉強中の無資格の社員にさせて、契約履行の実績作りをするようなケースが見られる。この場合でも、適時に税理士が訪問して実効性の高い税務指導をしていれば問題はないが、そうでない場合が多いようじゃ。経営者と経理担当者が望むのは、定型的・儀礼的な訪問ではなく、経理や税務上の積極的なアドバイスであり、困っているときに臨機応変に対応してくれることじゃ。
ITに弱い 税理士業界は、士業の中でも高齢化が進んでいると言われており、これがITに弱い税理士が多いと言われる所以となっているようじゃ。国家試験に合格して税理士登録するような人は比較的若い世代が多いので、高いレベルでIT対応も可能じゃが、税務署員から税理士登録した人などは高齢の方が多く、IT分野に苦手意識をもっていることが多い(現状では)と言われておる。税務署内でもIT対応の研修が行われているようじゃが、年代によってはなかなか苦手意識を払拭できないものじゃ。半面、このような人たちは、税務調査への立ち合いや調査後の話し合いの場では無類の強さを発揮するので、心強い面もあるのじゃが。
コミュニケーション不足 これが意外とウエイトが高いかもしれないのじゃ。専門家を自任している分プライドが高いため、説明に専門用語を多用したりして、経営者や担当者からコミュニケーションがとりにくいという話しをよく聞く。特に税務署出身の税理士は高齢の方が多く、営業にも慣れていないので、クライアントのために働くという意識が薄いのかもしれない。
ミスが多い 税務(申告書作成、相談、調査立会等)のほか記帳代行を併せて請け負っている税理士や税理士法人などで、日常業務から申告に係る事務手続きを無資格者に行わせ、税理士が確認するというケースで、税制上の判断で見落としがあったり、税務上容認される経費の算入を怠ったりというミスが見られることがある。
顧問料が高い 税理士報酬には明確な料金体系がないため、サービス内容をしっかり把握して契約しないと、決算手続から納税に至る一連の手続きで特別料金が発生してトラブルになることがある。年末調整事務と支払調書の作成などは、会社にとっては、税務上の一連の業務であり、当然顧問契約に入っているものと考えていたところ、別途料金を請求されたというケースをよく聞く。この程度のことは契約内サービスで処理して然るべきだろうという経営者の心情は分かるが、顧問契約は、このような細かい部分で齟齬を生じることが多いので、契約前に十分内容を詰めておくことが肝要じゃ。

2、人気度の高い税理士とは?

1.の裏返しで、人気度の高い税理士像を整理してみよう。

高満足度向上の要素 ポイント
有益な提言が得られる(ITの活用による先進的な提案を含む) 有能な税理士は、経営者だけでなく、経理担当者の悩みに向き合ってくれるものじゃ。経理担当者は、実務を進めるうえで、日々会計と税務上の判断をしなければならないが、経営者の指示・命令が会計や税務上のルールと整合しないということも多い。このような時に的確なアドバイスをし、経営者に直接説明するなどのきめ細かな対応ができれば、経理担当者のみならず、経営者の信頼は高まるものじゃ。なお、ITの活用など、会社の利益につながる仕組み作りの提案なども、経営者にとってはありがたいものじゃ。
適度な訪問がある 中小規模会社の経理担当者の悩みの一つは、自分の行った処理の検証をしてくれる社内のチェック機能が弱いことじゃ。月次で検証し、必要な修正ができれば決算期の負担軽減と正確な決算処理の実現につながるため、経理担当者にとっては、定期若しくは適時に訪問して処理内容の検証をしてくれる税理士が必要なのじゃ。これは、経営者にとっても同様で、訪問時に自社の経理内容や経営状況を客観的に評価してくれることを望んでいるのじゃ。
コミュニケーション能力に優れている 経営者や経理担当に対して、同じ目線で話しができ、気軽に相談できる環境を作れるような税理士は信頼できるものじゃ。クライアントと税理士の関係は、互いの信頼関係のうえに成り立つということじゃ。
迅速で正確な処理 税理士は、受験科目や税理士になってからの経歴及び取り組み姿勢によって、取扱分野の得手・不得手がある。例えば、個人の所得税と法人税では申告書作成時のアプローチが異なるため、所得税が専門分野だとすると、複雑な計算ルールが多い法人税の処理を任されても、正確性と処理速度に格段の違いが表れるものじゃ。また、特定業種に強いが、対応できる業種が少ないという場合もあるので、ミスマッチを予防するためにも、事前に専門分野等の確認をしておくことが必要じゃ。
コストパフォーマンスが高い 訪問頻度を減らして顧問料を下げたとしても、一訪問当りの税務指導等の質が高ければ満足度が上がる。求められるのは、コストとの均衡を図りながら、顧問料を押さえて高品質のサービスを実現できる税理士じゃ。

3、まとめ

最後に、税理士選びの方法について整理しておこう。各税務署には、管内で開業している税理士等の連絡先が掲示されているが、直接、有能な税理士を見つけるのは困難じゃ。一番の近道は、税理士会に相談し、業種や規模に対応した税理士を斡旋してもらうことじゃ。


また、事業規模によっては、地元の商工会や青色申告会などの団体を利用するという手もある。年会費などの小さい負担で、提携税理士や会所属の税理士に相談ができるのでありがたい存在じゃ。ここまで、人気度の高い税理士について整理してきたが、ポイントはつかめたかな。この記事が、有能な税理士探しの参考になれば幸いじゃ。





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