税理士との顧問契約の必要性Column

vol.0033
ラボン博士
今回のテーマは、税理士との顧問契約についてじゃ。そもそも、高いお金を払って税理士と顧問契約を結ぶ必要があるのか?という質問をよく受けるが、わしは、そういう人に、逆にこういう質問を投げかけるのじゃ。

貴方は、自分の会社をどのような会社にしたいのかな?」 個人事業主で行けるとこまで行くというレベルなら、敢えて税理士と顧問契約を結ぶ必要はないかもしれない。 しかし、少なからず従業員がいて、事業規模の拡大にもある程度意欲があるのなら、顧問税理士ぐらいは置かないと、ステークホルダーから会社に対する信頼は得られないし、何より、事業規模拡大に伴って変化する会計と税務の問題に対処しきれなくなるものじゃ。事業規模の拡大で、まず税制面の影響が出るのが「消費税」の問題じゃ。消費税と言うのは、単純なように見えて、実はかなり厄介な代物なのじゃ。

今回は、このあたりのことも含めて、4つの視点で顧問税理士の必要性について考えてみよう。

1.税理士の独占業務という視点から

税理士法で定められた税理士の独占業務とは、
①税務代理
②税務書類作成
③税務相談
の3つじゃ。
①には、税務調査時に申告者を代理して対応することが含まれ、③には、税理士業務に付随するものとして、財務書類の作成、会計帳簿の記帳代行、その他財務に関する事項が含まれる。また、②は、税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、不服申立書、その他関係法令に基づく書類作成業務じゃから、この3つの独占業務とは、税務に関するほとんどのことを、申告納税義務者に代わって行うことができるということなのじゃ。

まず、このことを前提として税理士との関係を考えることが大切で、目先の顧問料の高い・安いという話しはそのあとじゃ。要は、この3つの作業を、社長を含め社内で賄うことができるなら、税理士は不要だと言うことじゃ。適時・的確な記帳を行うとともに、税法に基づいた申告書を正確に作成し、納税する。また、その後の税務調査において、調査官からの専門的な質問に回答することができる体制が備わっていないなら、何らかの形で税理士の関与が必要になるものじゃ。

2.消費税の課税事業者という視点

次に、普段は意識しないものの、いざ事務処理となると混乱する例を挙げてみよう。消費税の事務と言うのは、本則で行うとかなり厄介なものじゃ。一口で言えば、仮受消費税と仮払消費税と言う勘定を設けて日常的に管理し、最終的には差し引きして納税するという手続きなので、単純作業に聞こえるかもしれんが、仮受消費税も仮払消費税も税率(現行8%)どおりに管理できるかということが最大の難点なのじゃ。

売上や仕入れには課税取引だけではなく、「非課税取引」、「不課税取引(課税対象外取引)」という、言葉だけ聞くと違いの分かりにくい取引がある。たとえば、「不課税取引」というのは、消費税には馴染まない取引のため「消費税の世界」から除外しなければならないし、「非課税取引」というのは、消費税の計算には入れるけど税金がかからない取引じゃ。詳細は省くが、これらは、厳密に対処しないと会社の利益を損ねることにもつながるので要注意じゃ。

また、例えば売上高5000万円以下の時点で、簡易課税制度の適用を受けたとしても、事業が順調なら、いずれは本則適用となって適切な経理処理と正確な消費税の申告・納税が義務付けられることになる。簡易課税制度は、言ってみれば「どんぶり勘定」なので、経営そのものもどんぶり勘定になる可能性が高いと言える。会社を成長させる意欲があるなら、経営そのものをしっかりと管理するため、一定の売上規模から消費税を本則適用して、適切経理のベースを築くことが重要じゃ。そして、そのためには、税理士の関与が必要となる。

3.節税と経営という視点

ここまで、税金の申告・納税手続きを中心に見てきたが、節税という視点でも見ておこう。素人が「節税」を口にするときは、大体が自分の都合に合わせようと、ルールから外れた見方をしておるものじゃ。税法と言うのは、納税者にとって都合の悪いほうに定められていると考えればよい。したがって、節税のポイントは、ルールに適合するか否かという一点にある。ルールを守って、若しくはルールを活用して無駄な税金を払わない処理を行う、また、それができる体制を作ることが経営者の責務の一つと言えるのじゃ。

中小企業の場合は、税制特別措置法の恩恵が大きく、「中小企業経営強化税制」、「中小企業投資促進税制」、「商業・サービス業活性化税制」といった、「攻め」の経営を進めようとする会社に対する支援型の税制措置(従来からの時限措置の延長)が充実しているのが特徴じゃ。これらの内容と、自社がどの措置を適用できるか(又は意図的適用の可否)を知り、自社の経営に有利に反映させるためには、税理士等専門家の介入が必要となる。

このような支援型措置がある一方、役員給与や交際費といった管理費用を損金算入するための基本的な節税ルールや、中小企業倒産防止共済のような税金繰延型の方法など、一定の利益を上げながら、適切且つ確実に節税につなげるための総合的対策を実践するためには、税理士の関与が必要となるのじゃ。

4.まとめ・・・人件費と顧問料という視点

以上の3つの視点で捉えると、税理士は、専門知識とその的確な運用により、会社の成長と経営管理をサポートできる存在と言えるが、最後に残るのが、「費用」としての妥当性の問題じゃ。税理士の一般的な顧問料をみると、年間売上高が3,000万円~5,000万円規模で月額25,000円程度、決算と申告費用で別途15万円程度なので、年間45万円程度が必要じゃ。

この売上高は、消費税を意識しなければならない水準にあるため、法人税と消費税の確定申告事務、そして、節税を含めた日常的な経理処理のチェック機能を考えれば、この部分で0.3人程度の従業員が必要となる。年間45万円の費用で従業員0.3人分の業務を正確にカバーし、経営の4大資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を一括して手に入れるという視点で検討してみると、そう大きな費用ではないと思うがいかがかな?




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