住民税ってなんだろう?

目次

1、住民税って払っているが、いったいどんな税金?

「住民税」とは、その地域に住んでいる人や会社があるところ、つまり「住民」が、その地域の福祉・教育・ごみ処理・防災などの行政サービスを行うための財源を納めるということじゃ。

「道府県民税」と「市区町村民税」の2種類合わせて「住民税」と呼ぶのだが、〇〇県△△市に住所があるなら、○○県に道府県民税を納め、△△市に市区町村民税を納めるのじゃ。ただし、別々に手続きをするわけではなく、市区町村のみ申告納税の手続きをすれば自動的に道府県にも申告納税されるのじゃ。

住民税は、1月1日に住所のある市区町村に納税するのだが、前年の1月1日から12月31日の所得に応じて納税額が決定されるのじゃ。当年ではなく、前年の所得に応じた金額のため、多額の退職金の受け取りや、事業でいつもの年よりたくさん儲けた次の年には高い住民税額となるから注意が必要じゃ。

2、住民税の申告が必要な人とは?

住民税は、所得税の計算過程を基にして計算されるのじゃ。そのため、収入は給与のみのサラリーマンで年末調整をした人や確定申告をした人は、すでに税務署に所得金額が提出されているから、住民税の申告をする必要はないのじゃ。

つまり、年末調整や確定申告を行っていない人は、住民税の申告が必要となるということじゃ。具体的には次のような人が該当する。

  • 年の途中で退職した人(年末調整をしていない)
  • 公的年金収入が400万円以下の人(確定申告をしていない)
  • パート勤務で年間収入103万円以下の人(所得税はかからないので確定申告は不要だが、100万円以上だと住民税がかかる。※自治体により異なる。)
  • サラリーマンで副業等の副収入があり、所得20万円以下の人(確定申告をしていない)

・・・など。

しかし、生活保護を受けている人、専業主婦や学生など所得が少ないまたは全くない人などの納税義務のない人もいるため、自分が住民税の対象かわからない時には自治体に相談してみるべきじゃ。
住民税の相談の画像

3、住民税の申告方法と納税方法

住民税の申告は、住んでいる地域の市区町村に対して行うのじゃ。分からないことが出てきたときにも市区町村に質問じゃ。

申告に必要なもの

  • 住民税申告書→市区町村の窓口やホームページから入手
  • 印鑑
  • 本人確認書類→マイナンバーや運転免許証など
  • 収入や経費金額の分かるもの
    (事業所得・不動産所得・年金以外の雑所得ある人)→通帳の振込記録・領収書・クレジットカードの明細など
  • 収入や源泉徴収額が分かるもの
    (給与所得・公的年金の雑所得がある人)→源泉徴収票
  • 所得控除を受けるために必要なもの→社会保険料や生命保険料の支払証明書・領収書など

提出の仕方

市区町村の窓口に持参する、または郵送でも可能じゃ。申告書の書き方に不安があるなら窓口で相談しながら書くのがおすすめじゃ。何度も足を運ばなくていいように、必要書類を事前に確認して準備しておこう。

納税方法

納税方法には2つの方法がある。

「普通徴収」 「特別徴収」
対象 事業所得者や公的年金受給者、専業主婦などで該当する人 サラリーマン
申告 (1)確定申告時に住民税の欄に記入をする
(2)確定申告をしない人は、住んでいる市区町村に住民税の申告をする
勤務先で年末調整が行われ、所得金額が申告済みなので個人での申告は必要ない
納税額 市区町村から納税者個人へ税額通知書(納付書)が送付される 市区町村から勤務先へ税額通知書(納付書)が送付される
支払方法 役場や金融機関、コンビニなどから納付(6月・8月・10月・1月の年4回に分けて納付。一括で納付も可能。) 毎月の給与から天引きされ、勤務先の事業者が代わりに納付

4、住民税の計算方法を知っておこう!

住民税は、「均等割」と「所得割」の2つに分けて計算をするのじゃ。
A「均等割」・・・住民が平等に公平に負担するものじゃ。

標準税率 5,000円(市区町村民税3,500円 都道府県民税1,500円)

※自治体により異なるので確認が必要。

B「所得割」・・・前年の所得に応じて負担するもので、所得の多い人ほど負担額は増えるのじゃ。
流れをザックリとまとめてみるのじゃ。

収入金額-必要経費=所得金額

所得金額-所得控除※=課税所得金額

※所得控除は、所得税で使用した金額と異なる。例えば、基礎控除は33万円(所得税では38万円)となり、注意が必要じゃ。

課税所得金額×税率(10%)※=所得割額

※税率の内訳は、市区町村民税6%・道府県民税4%(自治体により異なるので確認が必要)

所得割額-税額控除※=納める住民税額

※税額控除は、住宅ローン控除や寄附金控除(ふるさと納税)などがあるのじゃ。
最後に住民税の合計を求めるのじゃ。

A「均等割+B「所得割=「住民税額」

住民税の申告は、所得税よりも浸透していないが、重要な税金じゃ。脱税だと指摘されぬよう、自分で確認し申告が必要じゃ。

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