日本における税金の歴史

日本における税金の歴史

今回は、税金の歴史をみてみましょう。授業で聞いたような話しが沢山出てくるかもしれませんので、思い出しながら読んでみてください。

目次

日本における税金の歴史

弥生時代(紀元前4~5世紀頃⇒紀元後3世紀頃まで)

「魏志倭人伝」に、卑弥呼という女王が国を治め、穀物や織物などの貢物が納められていたという内容の記録があります。これが日本の税金に関する最古の記述と言われています。

飛鳥時代(574年頃~710年頃)、奈良時代(710年頃~794年頃)

大化の改新で税金が制度化されたと言われています。
公地公民制度が敷かれ、それまで豪族が支配していた土地と人民を国家の所有にして、その土地を人民に与え(口分田)て、税金を納めさせるという形ができました。
その後、「大宝律令」で、租・庸・調という当時の中国(唐時代)の制度を真似た租税制度に引き継がれていき、基本的には物納と労役の提供という税のかたちになります。

奈良時代に入ると、税の重さに耐えかねた農民が口分田を捨てて逃亡するようになり、耕地が荒れるようになりました。
このため、当時の朝廷は、新田を開発した者に土地を所有することを認める法律を作って、農民の不満をやわらげようとしましたが、結果は失敗に終わりました。貴族や寺社が新田開発に乗り出して自らの所有地を増やすようになり、権力構造が変わっていくことになります。

平安時代・鎌倉時代・室町時代(794年頃~1574年頃)

上記の流れで平安時代に突入し、公地公民の制度が有名無実化します。大きな寺社や貴族が自分たちの土地を農民に作らせて年貢を納めさせる荘園制度に変わっていきました。

鎌倉時代に入ると、守護や地頭というのが幅を利かせて、農民には年貢の他に公事と夫役(ぶやく)という税が課せられるようになります。また、この頃になると市場が生まれ、商業者が集まって「座」という組合が作られるようになり、「座役(ざやく)」という税金が課せられるようになります。
鎌倉時代は、武家政権の時代なので、課税権は次第に荘園領主(貴族)から武家に奪われるようになっていきます。

室町時代に移ると、年貢の他に、商工業の発展もあって新しい税が生まれます。
地子(ぢし)=領主が田畑や山林、宅地などに賦課した税
段銭(たんせん)=寺社の造営のように臨時の出費があるときに課された地域限定税
棟別銭(むねべっせん)=家屋の棟数に応じて課された、現代の固定資産税のような税金
関銭(せきせん)=関所の通過税
津料(つりょう)=津は港の意味で、港の施設の維持管理費用の調達目的税
武家政権になって税の種類が増えていきました。

安土桃山時代・江戸時代(1575年頃~1868年頃)

近代の扉が開く安土桃山時代です。
なんといっても、豊臣秀吉の「太閤検地」が有名です。それまで農地の面積だけで決めていた年貢を、土地の面積を正確に把握するだけでなく、土地ごとの収穫高も年貢を決める要素に入れました。
この制度は明治初期の税制まで存続することになる画期的なものでしたが、やり方は画期的でも、農民にとっては、収穫の3分の2も徴収される過酷な税制度でした。

江戸時代に入っても、基本的には年貢制度を引き継いでいます。また、徳川幕府の中央集権とは言っても、大名(藩)がそれぞれの領国を支配する制度であったので、税率は各大名が決めていました。
江戸時代の税の中心は年貢制度でしたが、酒や醤油など、後の世の専売品を扱う業者に対する免許税のような税も生まれています。これらは、時代劇なんかでよく登場する「冥加金(みょうがきん)」とか「運上金(うんじょうきん)」という名称で課されていました。

また、江戸時代中盤になると、自然災害などによる大飢饉もあり、年貢の引き下げを要求する「百姓一揆」が多発するようになります。その後も、天保の大飢饉などが続き、農民は重税に喘ぎながら幕末を迎えることになりました。

明治・大正時代(1868年~1926年)

明治に入り税の世界も様変わりします。年貢が消えて、「税金」が誕生するのです。
明治の初めこそ、年貢から地価の3%に課税する「地租」制度を導入して一揆を招くなど、しばらくは混乱が続きましたが、1887年(明治20年)に所得税が導入され、1899年(明治32年)には法人税が登場します。
と言っても、所得税は高額所得層だけに課されていたので、名誉税とか言われていたようです。
現代の税制度に通じる本格的な税制改正は、この1889年(明治32年)が出発点と言えるでしょう。

日清戦争終了後に、所得税法が抜本改正され、法人所得税、利子税、個人所得税の三種に区分されて、法人税法が施行される1940年(昭和15年)までこの基本的な体系が存続することになります。

大正時代は、戦費調達の関係もあって新税が作られるなど増税が続くものの、第一次世界大戦勝利の好況で法人所得税収が一気に増加した時代でもありました。

昭和(1926年~1989年)から平成(1989年~)

1940年に税制改正が行われて、税の体系が大きく組み替えられました。
一番大きなものとしては「源泉徴収制度」の導入で、1946年には新憲法の公布により納税が国民三大義務の一つとして明文化(憲法第30条)されました。
1950年にはアメリカのシャウプ博士の勧告に基づいて税制改革が行われ、所得税の累進課税とともに青色申告制度が導入されています。

さらに、1988年に抜本的な税制改革が行われ、その一環として消費税が導入されることとなります。この後も毎年なんらかの税制改正が行われ、この流れが平成を経て、今日に至っています。

こうやって見てくると、税の歴史は権力者の歴史でもあることがよくわかります。国民主権の時代となった今日では、毎年、税制改正大綱というのが与党から示され、政府はこれに沿って税制改正案を国会に提出するという流れになっています。

運営・監修者

今井 俊樹

ユーザーが本当に良い選択ができるマッチングサービスを作りたいという思いから、「税理士紹介ラボ」の立ち上げを起案。企業間のアライアンス事業や、WEBサービスの企画・運営を手掛けた経験を基に、依頼者と税理士がwinwinの関係になれるサービスを提供。500名以上の税理士と面談を行い、毎年3000件以上のマッチングを成功させている。

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