生命保険金と税金の関係は?Column

vol.0016
ラボン博士
今回は、生命保険金と税金との関係について説明しようと思う。生命保険金には死亡保険金と満期保険金がある(特約を除く)ので、順番にみていこう。

1、死亡保険金を受け取ったとき

死亡保険金を受け取った時、被保険者、契約者、保険金受取人が誰であるかによって、次のように適用される税金の種類が違ってくるのじゃ。

  被保険者 契約者(保険料負担) 保険金受取人 税金の種類
相続税
所得税
長男 贈与税

①の場合、保険金受取人が法定相続人なら、「みなし相続財産」として相続税の対象になるのじゃ。 生命保険金は保険契約に基づく受取人固有の権利で、本来なら遺産分割協議の対象にはならないため、普通の相続財産ではないという意味で、「みなし」となっているのじゃ。

では、①の契約形態に、下記の条件を設定して具体的に相続税を計算してみよう。 契約者であり被保険者である夫が死亡し、死亡保険金5,000万円を妻が受け取った。夫には生命保険金とは別に、計1億2千万円の財産があり、その財産を妻と成人の子供二人が法定相続分で相続することになった。

死亡保険金は、法定相続人が受け取る場合、500万円×法定相続人の数の非課税枠があるのじゃ。設例に当てはめると、法定相続人は妻と子供2人の3人じゃから、1,500万円が非課税となり、これを反映した相続財産の課税対象額は以下の通りとなる


(単位:万円)
 
生命保険金
非課税分(マイナス)
5,000
▲1,500
3,500
その他の相続財産 6,000 3,000 3,000 12,000
課税対象額 9,500 3,000 3,000 15,500

※債務や葬儀費用は考慮していない。


この課税対象額から、法定の基礎控除額(3,000万円+(600万円×法定相続人数3))を引くと、課税相続財産の総額は、15,500万円-4,800万円=10,700万円で、相続税の算出方法は以下のとおりじゃ。


(表1)まず、全額を法定相続分で相続したとした金額を算出する

  相続財産8,700万円の法定相続額
相続人 妻(1/2) 子(1/4) 子(1/4)  
相続額 5,350 2,675 2,675 10,700
税 率 30% 15% 15%  
相続税 1,065 401 401 1,867
※税率は税率表による。


(表2)(表1)で計算した相続税額を、実際の各人の相続割合で配分する

  相続財産15,500万円の実際の相続額
相続人  
実際の相続額 9,500 3,000 3,000 15,500
実際の相続割合 9,500
15,500
3,000
15,500
3,000
15,500
 
各人の相続税 1,145 361 361 1,867

(表2)が、実際に各人が負担する相続税額じゃが、配偶者には税額軽減措置がある。
結論から言うと、1億6千万円までなら非課税で、これを超えたとしても法定相続分の範囲内で相続していれば配偶者には相続税はかからないのじゃ。

次に、②のケース。
契約者と保険金受取人が妻の場合、死亡保険金を一時金で受け取ったときは一時所得として所得税の対象となるのじゃ。
ほかに一時所得がなければ、受け取った生命保険金の額から既に支払った保険料を差し引き、さらに一時所得の特別控除50万円を控除した残りの金額に2分1を乗じた額が課税対象額じゃ。

課税所得が小さくなるような印象をうけるが、①の保険金額5,000万円で計算すると実際にはどうなるかがわかる。

仮に、払い済み保険料が1,000万円だとすると、課税所得は(5,000万円-1,000万円-50万円)÷2=1,975万円。税率は40%じゃから税額は790万円・控除額が▲279.6万円で=510.4万円となる。

これに、他の給与所得などがあれば合算して計算しなければならないので、税率がもっと上がる可能性もあるのじゃ。

次に③のケース。契約者、被保険者、保険金受取人が全員異なる場合は、贈与税の対象となるのじゃ。①の5,000万円の保険金で計算すると次のようになる。 5,000万円-(贈与税基礎控除:110万円)=4,890万円×税率55%-税額控除400万円=贈与税額2,289.5万円 とまあ、大変な金額じゃな。契約内容にはくれぐれも注意が必要じゃ。


2、生命保険の満期保険金は?

満期や解約で保険金を受け取ることもあるので、同じように整理してみよう。

保険料負担者 保険金受取人 税金種類
①夫 所得税
②夫 贈与税

①は一時所得となり計算方法はさっきと同じじゃ。ただし、一時払い養老保険等で期間が5年以下のものや、5年以内に解約されたものは源泉分離課税が適用されて、源泉徴収で課税関係は終了するのじゃ。②は贈与税の対象となり税額が大きくなる。満期等の場合も、一般的には死亡保険金より金額は小さいとはいえ、契約関係には注意が必要じゃな。


3、最後に

死亡保険金を一時金ではなく年金として受け取ったときは、雑所得となる。詳細は省くが、初年度は全額非課税で、2年目以降、「課税部分が階段状に増加」していく特殊な課税法となるので注意が必要じゃ。これはまたの機会に説明するとしよう。





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